吉久直志おすすめ映画紹介「エレファント・マン」

吉久直志おすすめ映画紹介「エレファント・マン」

吉久直志おすすめ映画紹介。今回の作品は「エレファント・マン」を紹介します。

吉久直志
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人生で一度しか観る勇気がなかった、心に刺さる映画

吉久直志おすすめ「エレファント・マン」はこんな映画

1980年にアメリカとイギリスの合作で作られた、実在した人物ジョン・メリックの半生を描いた映画。たしか「エイリアン3」「セブン」のデビット・リンチ監督の長編初監督作品だったはず。

1981年にアポリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞作品。

あらすじ

出産前の母親が象に踏まれた事で全身が醜い姿で生まれてきたジョンはエレファントマンと名付けられ、見世物小屋で見世物にされていた。

それを見つけた外科医のフレデリックはその姿に涙を流す。研究がしたいと見世物小屋の主人からジョンを譲り受け、病院の屋根裏部屋で観察を始めるのだが…。

エレファント・マン予告編

作品データ

公開年1980年(アメリカ)
上映時間124分
監督デヴィッド・リンチ
脚本クリストファー・デヴォア
エリック・バーグレン
デヴィッド・リンチ
主な出演者ジョン・ハート
アンソニー・ホプキンス
ジョン・ギールグッド
アン・バンクロフト

映画「エレファント・マン」吉久直志おすすめポイント

特殊メイクによって再現されたジョン・メリックの姿が、なんとも言えない《怖さ》を醸し出している。彼の姿がどこまで本当に再現されているのかは分からないが、これが実話であると言う事が、彼の醜さは絵空事の化け物とは全く違う存在として心に突き刺さる。

全編通してモノクロで作られた世界が更に空気を重くして、当時の時代背景を体感させる効果を発揮している。そして、そんな悲劇の彼が体験する愛と安らぎと悲しさは、観る人に人間としての有り様を問いかけてくる。

人生に一度だけでいいから見た方が良い映画です。

感想

正直、僕はこの映画を小学生の時に一度しか見ていません。しかも、テレビで放映したものをビデオで録画して見た一度だけ。

はじめ「エレファントマン」と言う名前を聞いたとき「スパイダーマン」や「バットマン」の様なヒーローをイメージしてました。

しかし名前とは裏腹に、片目だけ四角くくりぬかれた布の仮面を被った、コートの男。それが予告のビジュアルとして司会者の背景に映っていた。

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ネタバレ感想

ネタバレ表示

映画が始まり、暫くは主役である外科医の視点で進んでいく。
偶然寄った見世物小屋で目にした《エレファントマン》と呼ばれる奇形の男。
しかし、カメラには映らない。

公演後に裏へ行き、檻の中にいる男のマスクを取って、その顔に涙を流す。
しかしまだエレファントマンは映らない。
外科医の心の流れを丁寧に追っていく。

やがて外科医はエレファントマンを病院の屋根裏へと連れて帰り、人間としての生活を与えてあげようとする。

その時、初めてマスクを取り去り、エレファントマンの顔が露になる。

  • 肥大化した頭部に飛び出た額
  • 曲がった唇
  • 曲がった腕
  • 靴もはけない程、膨らんで変形した足

もし目の前にこんな人がいたら、普通に接するのにまず勇気がいるはずだ。
よくいるグロテスクなクリーチャーとは違い、はっきり言えばそこまで気持ち悪い訳ではない。
だが「本当にいた人間」と思うだけで何かが心に働きかける。

やがて映画が進むにつれ、彼の名はジョン・メリックであり、見た目とは違い、知能は高く、言葉も話せて、感情も豊かで有ることを知る。

現実も同じだが、不思議なことにずーっと彼の顔を見ていると、それほど不快でもなくなり、そういう人として、一人の人間として見ている自分に気づく。

やがて、彼が初めて体験する人間としての心のふれあい。

しかし、あの見世物小屋のオヤジが、再び彼を連れ出し町中で彼を見世物として追いかけ回す。
大衆は逃げるジョンを押さえ込みマスクをはがし、気持ち悪がる女と無理やりキスさせたりする。

かわいそうとかそんな感情ではなく、人間の残酷な部分が一気に押し寄せ、心をえぐっていく。

やがてジョンは叫ぶ。

「僕は象なんかじゃない!僕は人間だ!!!」

そして、沢山の幸せを得たジョンは、最後の夢を叶えようとベッドに入る。

どこまでか実話で、どこまでがフィクションなのか僕には分からない。
そんなに残虐でも、気持ち悪い訳でもない。

なんならジョンに親しみさえ覚えたのに、その後何度かビデオテープを手にとっては、デッキに入れることを躊躇し今に至る。
何故かもう一度あの顔を見るのが怖かったのだ。

大人になった今見たら、また全然違う作品に見えるのだろうか?

そんな、たった一度だけしかみてないのに明確に様々なシーンや名前まで覚えている心に刺さる作品を、是非人生で一度は観てみませんか?

吉久直志おすすめの映画「エレファント・マン」 を観る

エレファント・マンはDVD、ブルーレイが販売されています。

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エレファント・マンが観れるVOD

エレファントマンの配信されているVODは残念ながらありません。※2020年3月時点