吉久直志のおすすめ漫画紹介。今回の作品は「宇宙家族カールビンソン」です。
80年代の温かい香りを感じられる作品
吉久直志おすすめ「宇宙家族カールビンソン」はこんな漫画
「強植装甲ガイバー」や「逆境ナイン!」が連載されていた雑誌「月刊少年キャプテン」に連載されていた あさりよしとお先生 が描くほのぼのSFギャグ漫画。
あらすじ
宇宙航行中にロケット同士の衝突事故を起こした旅芸人一座が、近くの星に墜落した相手のロケットを調べたところ、まだどの文明とも接触してない未知の星(地球)のロケットだと判明する。
乗組員はただ一人、女の子の赤ちゃんを残して全員死亡。
その責任を感じて、この子の為に地球から迎えが来たときにキチンと地球へ帰れるよう、その星で一座を上げての家族ごっこが始まる。
作品データ
作者 | あさりよしとお |
掲載紙 | 少年キャプテン |
連載時期 | 1985年2月18日号~(未完) |
出版社 | 徳間書店・講談社 |
単行本 | 全11巻(SC完全版) |
漫画「宇宙家族カールビンソン」吉久直志おすすめポイント
まるでムーミン谷のような穏やかな世界に、科学的かつ不条理なギャクでおりなす、ハートウォーミングな世界観がなんとも言えず心をなごませる作品です。
ネタバレ感想
基本的にはギャグ漫画です。月刊連載なこともあり、コミックス3巻辺りまでは登場人物紹介や、状況の説明に作者もノリをつかめずそこまで笑える作品ではないのですが、3巻を越える辺りからどんどんギャグやキャラクターの脂がのり始め、笑いが加速していきます。
本格的な科学交渉を下敷きに
- 一座のまとめ役のトトロみたいなネズミの「お母さん」
- 元傭兵で宇宙最強最悪の兵器だったロボットの「お父さん」
- 脳と神経むき出しの気持ち悪い「ペットのターくん」
- 獣人化する女の子の「保安官ベルカ」
- それにいつの間にか集まってきた星の原住民たち
など、見た目も性格もパラバラな一癖も二癖もあるキャラクター達がおりなすホノボノしたホームコメディは、ムーミン谷をギャグで包み込んだように優しい気持ちにさせてくれます。
時に自分達が偽物の家族である事を後ろめたく思ったり、いつか別れがくる事を匂わせ切なくなる話もあり、人のつながりや家族の在り方を見ることも出来る本当に優しい作品なのです。
特に映画や映画監督達のパロディも豊富で、その手のマニアックな人達がニヤリとしながら楽しむこともできるし、主人公の「コロナちゃん」の成長する姿を子育てのように楽しむこともできます。
絵柄も可愛くて最近ではあまり見なくなった作風てはないでしょうか?
正に、漫画でしか出来ない。
漫画だから楽しめる世界がそこにあるのです。
しかし、惜しむらくもこの作品はバブル崩壊によるエンタメ冬の時代に連載していた為、月刊キャプテンが突然「廃刊」となり、連載中のすべての漫画が最終回を迎えることなく打ち切りとなった不遇の作品でもあります。
その後、別の雑誌で同名のタイトルで連載が始まるも今までとはパラレルな世界観として始められてしまい、絵柄も少し変わって、ガッカリしたのを覚えています。
しかも、その新連載もコミック一巻だけ出て止まってしまいました。
この作品の結末を望むファンは多いと思いますので、是非ともキチンとした最終回を迎えることを節に願っております。
吉久直志おすすめの漫画「宇宙家族カールビンソン」を読む
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